愛と愛しい声

テレビからは、大好きな曲が流れている。

携帯電話の画面をタッチする。
無愛想な口調で私の名前を呼び、おやすみと言った。

おやすみというには抑揚のない声。
心拍は一瞬止まり、その後強い鼓動となって再開した。
耳からつま先までビリビリと信号が走り、鳥肌が立つ。

何度も何度も繰り返し聞くうちに、瞳からはいつの間にか大粒の雫が溢れ落ち、頬を温かく濡らした。
雫はやがて連なって、一筋の線となった。

テレビの曲が、心地よい伴奏となっている。

瞳を閉じる。
沢山の雫が押し出され、何筋もの線が流れた。

大好きな曲と、大好きな声。

自尊心、虚栄心、意地。
今すぐ全部、捨ててしまえたなら。

大好きな人が待っている夢の中へ、誘われ吸い込まれ、深く深く夜が更けていく。